【 「美人税」舞台化にあたって / 脚本・演出 小鶴 】 ( 舞台 「美人税」公式サイトより)
舞台をやりたいなと思った。 震災を経験し、揺れる日々を過ごしていたとき、実は原稿が書けなくなってしまった。ちょうどその頃、宮城県の河北新報社で新聞小説 『カンガルーのマーチ』を連載しはじめたばかりだった。感想を頂いた読者の方々の安否や挿絵のいがらしみきお先生の安否・・・・・・日常のなかの心のすれ違いからはじまるコメディを書いているのに、日常が思い出せない。小説は一時的に休載となったが、再開したときのために書きすすめなきゃいけないのに・・・・・・。
その時、私を救ってくれたのが 『舞台』だった。生のエネルギーが直接的に感受できる 『舞台』の芝居をとにかく観まくった。一瞬でも、揺れる日々を忘れることができた。そして私は、再び書けるようになった。 だから、どうしても 『舞台』をやりたいと思い、O. V. L+E というプロデュースユニットを立ち上げ、舞台版 『美人税』の企画がはじまったのである。
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